お味噌汁の基本とコツ(お味噌屋さんがつくる美味しい味噌汁の作り方)

2015年07月12日

記事更新日 2020年2月6日

 

ご自身の丁寧で健やかな毎日のためにも、大切な人の健康維持を考える時にも、温かいお味噌汁を美味しく作ってみたくありませんか。お味噌汁の基本とコツは何でしょうか。

お味噌選び?それとも美味しいだしでしょうか?

 

経験上、美味しいお味噌汁をつくるための基本は、たった2つに絞ることができます。それは、①だしと具材を選ぶ。②自分好みの味噌をタイミング良く溶く。この2つさえ押さえておけば、どなたでも簡単に自分好みのお味噌汁を美味しく作ることができます。

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基本は、【①だしと具材を選ぶ】と【②自分好みの味噌をタイミング良く溶く】のたった二つだけです。

 

【基本その① だしと具材を選ぶ】

一般的に味噌汁に選ばれるだしは、かつお、こんぶ、煮干しです。

あなたのお好みのだしは何ですか?

スーパーマーケットやだし専門店に行くと、様々な顆粒タイプのだし、無添加の粉末だし、素材そのもの等、様々なだしが販売されています。しかし、そもそもだしとは何でしょうか?だしとは、素材から水分に移る「旨み」のこと。だから、いくつもの具材を入れて煮ることで、それだけでも美味しい味わいがあり、それこそが「だし」なのです。だしには、一般にかつお、こんぶ、煮干しが選ばれているからといって、囚われる必要はありません。具材のキャベツから出る旨みもあれば、豚肉から出る旨みもあり、究極はお味噌からの旨みもあります。だから、あくまで「お好みで選ぶ」のがだしの選び方です。当店では、だしの取り方についてご紹介したコラムもご用意していますので、よかったらご参照ください。ご自身の馴染んだ味が一番!!だからご家族にだしの好みを聞いてみても良いでしょう。

 

具材については、山の物、人里(畑や家畜)の物、海の物を意識してみると選ぶ参考になるかもしれません。

豆腐とワカメなら里と海の組み合わせ、ブリのアラとねぎなら海と里の組み合わせ、ナメコと玉子なら山と里の組み合わせ。もちろん単一の具材でも美味しいのですが、違うカテゴリーから1つずつ選ぶとバランス良くお互いを補い合って美味しく仕上がるでしょう。具沢山の味噌汁は、それだけでおかずになる程の栄養価を持っています。山のゴボウと里の豚肉を合わせた豚汁が良い例です。

 

コツその1  火の通りにくい具材から入れる

例) 人参、大根、玉ねぎ、じゃがいも等の固い根菜は、一番最初に入れましょう。しっかり火を通して、お好みの固さに仕上げます。ブリのアラなどの魚介もそう。魚介は、まず湯をしっかり沸騰させてから入れると臭みが出にくいものです。根菜や魚介を煮ることで味わい深いだしも得られます。

 

コツその2  火の通りやすい具材は後半に
例) 豆腐や溶き卵、ワカメは、長く煮込む必要はありません。こうした火の通りやすい具材は、沸騰しているところに入れて、サッと短時間で火を通しましょう。溶き卵をキレイに仕上げたいときは、一度強火で温度を上げてから、くるりと溶きまわして、固まらないうちに菜箸でかき混ぜるとキレイに仕上がります。

 

コツその3  相性の良い注目の具材
「お揚げ」と呼ばれる薄揚げは、大豆由来の植物性食品でありながら油のドッシリとした旨みもあって、野菜と肉の両方の性質を持っている傑作と言えます。キャベツと薄揚げのお味噌汁、もやしと薄揚げのお味噌汁など、野菜同士の組み合わせなのに、なんとも旨み豊かな味わい。具材に困ったら、この薄揚げの持つ「何でも合う」という性質を活かしてみましょう。包丁・まな板ではなく、キッチンバサミでも処理できますので簡単です。

 

【基本その② 自分好みの味噌をタイミング良く溶く】

コツその1  お味噌選びのコツはご存知ですか?ご家庭に決まったお味噌があればそれに越したことはありません。ご家族にどの味噌を使っているかをお聞きになってください。しかし、もしもご自分好みのお味噌を探しているなら、この2つだけ覚えておいてください。

一つ目は、加熱されていない生(なま)のお味噌を選ぶこと。二つ目は、長期熟成されたお味噌を選ぶこと。※長期熟成の目安は、6ヶ月以上です。

この二つの基準さえ守れば、たいていは風味の良い美味しいお味噌と巡り合えるはず。

その中でご自身のお好みのお味噌を選んでください。
加熱されている味噌と、非加熱の味噌をどう見分けるか?一つ言えるのは、「だし入り味噌」は必ず加熱済みの味噌です。それ以外なら、おおよそ問題はないでしょう。熟成期間は、パッケージに表示する蔵元も増えてきていますので、ご参考にしてみてくださいね。

 

コツその2  お味噌を溶き入れるのは、火を止めて、汁の沸騰が鎮まってから。

一人前の味噌は、大さじ1杯(約15グラム)が目安です。お鍋の具材に火が通っていることを確認してから火を止めて、ゆっくりお味噌を溶かし入れましょう。味噌を溶かし入れた後は長時間そのまま置いたり、グツグツと沸騰させてはいけません。汁を煮立ててしまうと、せっかくのお味噌の香りが飛んでしまいますから。

 

お味噌汁は、「沸騰する直前」が最も香りが良いと言われます。刻みネギや山椒、唐辛子などの薬味については、加熱を一旦止めて、味噌を入れた後に入れましょう。配膳する前に再度火をつけて汁の温度を上げ、くつっと沸騰する直前で火を止めれば、香り良く完成です。

 

おまけのコツ  作ってから時間が経ったお味噌汁を美味しく食べる方法

冷めたお味噌汁を沸騰させないように温めます。沸騰する直前で火を止め、ごく少量のお味噌を追加することで、出来立てのお味噌汁の香りが復活します。時間が経ったお味噌汁のお吸い口に、一味唐辛子を加えたり、変わり種としてはカレー粉をごくごくわずかに加えても美味。カレー粉を試すと案外美味しくてびっくりするかもしれません。

 

まとめ 美味しいお味噌汁づくりの基本は、【①だしと具材を選ぶ】と【②自分好みの味噌をタイミング良く溶く】の2つだけでした。

お味噌汁を美味しく作ることができれば、毎日の「一汁一菜に一糀」が一段も二段もレベルアップしますよ。一杯のお味噌汁をつくるのに気持ちを注ぐことは、実はシンプルな二つの基本からで、案外充実しています。決して複雑ではありませんので、ぜひ楽しみながら作ってみてください。

 

味噌を選ぶと言っても、たくさんの種類があって困る方には、ヤマト醤油味噌のヤマト味噌がオススメです。杉桶の中で8ヶ月以上熟成し、しかも非加熱でアルコール添加もしていない生(なま)のお味噌。香りの良さは格別ですよ。
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